プレス情報
2018年10月23日 中建日報
生産性向上(P)協議会開く
IT活用や設計合理化を議論
近未来コンクリート研究会(十河茂幸代表)のテーマ別協議会のうち、「構造物の生産性向上技術研究協議会」(P協議会)の第2回会合が15日、広島市中区で開かれた。会合には、建設会社や生コン業者、材料メーカー、コンサルなど各業界のキーマンが出席。建設分野へのIT活用や設計、施工の合理化について議論した。
同会は、異業種間の連携強化によってコンクリート構造物の長寿命化をめざすため、元広島工業大学教授の十河氏が中心となり今年4月に設立した。P協議会のほか、「初期ひび割れ抑制技術協議会」(C協議会)、「延命化のための維持管理技術協議会」(M協議会)があり、問題解決に向けた意見交換を重ねている。
会合では、主査を務める広島工業大学の坂本英輔准教授と十河代表の進行のもと、IT活用の問題点と可能性、設計方法やシステム、若年層の入職確保について、施工フローに関することなど多伎に渡って議論。
コンクリートの出来ばえは、最後に手を加える施工業者の責任のように捉えられがちだが、実際は生コンの品質や管理、設計に問題があることも多いことなど現場の問題点も明らかになり、解決案としてAIやデータベースを活用して生コンの配合設計や材料調達、製造、計量まであらゆる場面を「見える化」するなどの意見が出された。
各協議会の検討期間は2年間。今後は、来年3月末までにあと2回会合を開き、4月の総会後の報告会で各協議会ごとの進捗状況を中間報告する予定。来年度は現場見学会なども企画していくという。
十河氏は、「報告会は、会員以外の方にも開放する予定。また、来年度は発注者にも加わってもらい、コンクリート構造物の長寿命化に向けたより良い連携を図っていきたい」と話している。