2018.10.15 セメント新聞 全圧連創立30周年特集 圧送技術さらなる向上へ 寄稿 | プレス情報 | 近未来コンクリート研究会は、インフラを適切に維持管理することを推進する支援をするとともに、これから建設されるコンクリート構造物を長寿命化するための研究を行います。

プレス情報

2018年10月15日 セメント新聞

全圧連創立30周年特集
圧送技術さらなる向上へ
<寄稿>十河茂幸近未来コンクリート研究会代表
技術大会の定期開催を
これからが「成熟期」

2018年10月15日 セメント新聞 | 近未来コンクリート研究会
 全国コンクリート圧送事業団体連合会が設立30周年を迎えられたこと、心よりお喜び申し上げます。良質のコンクリート構造物を建設するには、目標とする構造物に対する要求性能を満たすことが必要で、製造から施工の一連の工程の中でも、コンクリート圧送は重要な位置を占めます。コンクリート施工の中心的な役割を担うコンクリート圧送工事に従事する事業団体が情報の共有だけでなく、技術の向上を目的として研鑽され、それが評価されていることが30周年を迎えられた大きな要因と考えます。これまでの30年間のご努力に敬意を表します。

資格制度の効果

 全圧連は、1級および2級のコンクリート圧送技士の資格制度を確立し、さらにコンクリート圧送基幹技能者制度から登録コンクリート基幹技能者制度に発展させられました。これらの資格制度は、一定の技術能力を有することを外部から評価してもらうことができ、コンクリート圧送技能者の地位向上に寄与しました。名実ともにコンクリート施工現場の中心的な存在になることができ、今後も信頼される技能者としての活躍が期待されます。全圧連が中心となって、多くの登録コンクリート圧送基幹技能者が輩出され、信頼される社会資本整備に貢献されることを祈念いたします。

技術力向上に向けた活動

 平成30年春に第1回のコンクリート圧送技術大会が開催されました。登録コンクリート基幹技能者認定委員会の場でも何度か開催されることを要望し、念願の大会でした。学術団体では当然の技術交流の場ですが、専門工事業の中では研修会やセミナーは行われるものの、全国規模での技術大会の開催はあまり多くを見ません。特に圧送技術に関しては、専門性が深化しているわりに、技術データは決して多くはありません。そのような状況において、全圧連の会員企業の努力に加え、建設会社などの支援もあり、難易度の高い圧送技術の紹介などが披露されました。技術の交流は業界全体の技術向上となり、これが信頼性向上への途につながります。

これからの全圧連への期待

 これまでの30年は、黎明期から圧送業界の地位確立に貢献された充実の期間であったと思います。しかし、全圧連の成熟期はこれからです。圧送技術大会を定期的に開催し、ますます多様化するコンクリートに対しても難なく圧送できる技能を共有しなければなりません。さらに期待されるのは、苦渋作業を排除し、安全な圧送作業を確立することです。設立40周年の祝賀会では、女性の活躍が紹介されるよう期待しています。