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2018年11月26日 中建日報
「フライアッシュ」の有効活用など議論
ひび割れ抑制協議会開く
近未来コンクリート研究会(十河茂幸代表、写真)が開いている三つのテーマ別協議会のうち、「初期ひび割れ抑制技術協議会」(C協議会)の第3回会合が19日、広島市中区であった。この日は、過去2回の会合で抽出した課題に対する解決策等を議論。「フライアッシュ」の有効活用や、湿潤養生のポイントなどが話題に上った。
会合には、建設会社や生コン業者、メーカー、コンサルなど各業界のキーマン約20人が参加し、十河代表が冒頭、「この協議会は初期ひび割れを題材にする協議会で、建築では乾燥収縮、土木では温度ひび割れなど、入ることが理屈通りというひび割れに対して、色々な意見をいただきながらまとめたい。ぜひ活発な議論をお願いしたい」とあいさつした。
協議では、主査を担当する広島工業大学の竹田宣典教授や十河代表が中心となり、谷止工でのひび割れ事例などをもとに、マスコンクリートや寒中コンクリートなど様々な現場条件でのひび割れ対策について自由に意見を出し合った。
中でも、石炭を燃焼することで生じ、コンクリート混和材としても使われる「フライアッシュ」の話題では、温度ひび割れの要因であるセメント水和熱の抑制や、流動性を高める効果があるなどの知見を紹介。
来年3月11日開催する次回会合では、この日の意見をさらに詰め、春に開催予定の総会で中間報告を行う方針も申し合わせた。
同会は、異業種間の連携強化によってコンクリート構造物の長寿命化を図るため、元広島工業大学教授の十河氏が中心となって今年4月に設立したもの。C協議会のほかに「延命化のための維持管理技術協議会」(M協議会)、「構造物の生産性向上技術研究協議会」(P協議会)があり、問題解決に向けた意見交換を定期的に行っている。