プレス情報
2019年7月1日 セメント新聞
3協議会で活動推進
来年4月に最終報告予定
近未来コンクリート研
「近未来コンクリート研究会」(NFCA、十河茂幸代表理事)は「コンクリート構造物の高耐久化を目指して、いろいろな立場の技術者が議論を重ね、社会に提案すること」(十河代表理事)に取り組んでいる。昨年4月20日に広島市内で設立総会を開き、発足した。「初期ひび割れの抑制技術研究協議会」「構造物の延命化技術研究協議会」を設け、具体的な検討作業を進めている。
日本国内で構築されたコンクリート構造物の総量は100億m
3と推計され、そのほとんどは戦後に建設された。築後70年に達したものをはじめ、高度経済成長期に建設されたインフラ構造物が一斉に高齢化してきている。こうした中で同研究会は「インフラを適切に維持管理すること推進する支援をするとともに、これから建設されるコンクリート構造物を長寿命化するための研究」を行うことを目的に発足した。
3協会の活動概況は以下の通り、いずれも今年度4回の会議開催を計画しており、2020年4月に最終報告を行う予定である。
【初期ひび割れの抑制技術研究協議会】
発生確率の高い温度ひび割れを抑制するための設計、材料、製造、施工のあるべき姿を追求し、ひび割れのないコンクリート構造物の構築を目指す。竹田宣典広島工業大学教授(環境土木工学)を主査に産官学のメンバーで構成し、十河代表理事は「忌憚のない意見を交換し、目標実現を目指して活動している」と説明している。
【構造物の延命化技術研究協議会】
老朽化しているインフラの増加に対し、どのようにすれば延命化が図れるか、「現状の技術を整理し、点検、診断、補修方法の在り方を議論している」(十河代表理事)。主査はコンクリートメンテナンス協会の技術委員長を務める江良和徳氏(極東興和)で、産官学のメンバーで議論を深め、技術の進化を目指している。
【生産性向上技術研究協議会】
十河代表理事は「生産性向上の必要性が叫ばれる昨今だが、多くの現場はいまだに3Kと呼ばれる状況から脱していない」とし、「生産性向上(合理的な建設)のための設計、施工、規準類の在り方を検討している」と説明。主査は坂本英輔広島工業大学准教授(建築工学)で、産官学のメンバーが議論、アイデアを積み重ねている。