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2019年8月26日 中建日報
3テーマ別協議会開く
解決策議論、発注者と意見交換へ
近未来コンクリート研究会(十河茂幸代表)による3つのテーマ別協議会(C、M、P)の2019年度第2回会合が21日、広島市中区で開かれた。会合では、ひび割れ抑制、延命化、生産性向上に関する現状の課題をさらに抽出したほか、根本的な解決策などについて議論。今後さらに意見を集約し、発注者との意見交換などを企画していく方針も申し合わせた。
同会は、コンクリート構造物の長寿命化に向けた異業種間の連携を目的に、元広島工業大学教授の十河代表が中心となって昨年4月に設立した。
「初期ひび割れ抑制技術(C)協議会」「延命化のための維持管理技術(M)協議会」「コンクリートの生産性向上(P)協議会」の3つの協議会に分かれ、生コンや点検・診断、設計、施工などの専門家が毎回熱のこもった議論を重ねている。
この日のC協議会(主査=竹田宣典広島工業大学教授)には約20人が参加し、マスコンクリートのひび割れ抑制に効果があるとされる「フライアッシュ」の活用事例の紹介に加え、施工者に責任が向けられがちな初期ひび割れについて、設計や歩掛り等の根本的な問題を議論。
M協議会(主査=江良和徳コンクリートメンテナンス協会技術委員長)では、技術者の不足や予算の問題、補修に対する認知度の低さなど、維持管理の現状の課題がさらに浮き彫りになり、改善のためには発注者との認識共有が重要であるとの認識で一致。今後は、意見交換会に向けた動きを進めるほか、チェックリストの作成、市町職員を対象とした実務研修会などを開催して業務を支援する。
また、P協議会(主査=坂本英輔広島工業大学准教授)では、働き方改革が叫ばれつつ、コミュニケーションの不足から逆に必要書類が増えている現状が明らかに。状況を把握するためのアンケート調査の実施に加え、施工の機械化事例をまとめた技術報告などを行っていくとした。
このほか、特別講演も開かれ、フリーロックの檜垣誠氏が「いまさら聞けない混和剤の役割」として基礎知識や裏話などを披露した。
十河代表は今後の展開について、「建設現場やインフラには多くの課題があり、関連業界の皆さんと力を合わせて課題解決の道を探りたい」と話していた。