プレス情報
2019年11月12日 中建日報
小規模橋梁の補修講座開く
十河氏作成の「点検要領」学ぶ
広島県土木協会
広島県土木協会は7日、コンクリートメンテナンス協会(徳納剛会長)の協力を得て「橋梁補修講座」を開催。特に市町の管理橋梁に多く、発注者が自前で点検実施することが望ましいとされる小規模橋梁の簡易的な点検方法について、座学と現場実習を通じて学んだ。
この日の研修は、コンクリートメンテナンス協会の十河茂幸顧問(近未来コンクリート研究会)が作成した「小規模橋梁の点検要領」に基づき、点検フローや調査項目の紹介のほか、点検に応じた補修工法の選定知識など習得するためのもので、県内市町の技術系職員など約30人が参加した。
東広島市福富町で開かれた座学研修では、十河顧問が小規模橋梁点検の必要性や外観、強度、かぶり厚、中性化深さなどで状態をはかる点検要領の骨子を説明したほか、同協会の江良和徳技術委員長(極東興和)は点検結果に基づく補修工法選定の考え方について、劣化メカニズムや各工法の特徴を踏まえながら伝授。
太平洋マテリアルの中村英明氏は、塩分濃度の簡易測定キット「カンタブ」の使用方法などについて説明した。
また、後半の現場実習では、講師陣とともに押谷橋など再劣化橋梁を含む3橋を視察しながら、点検要領の手順などを確認。終了後は質疑応答の時間も設けられた。
昨年度で一巡した5年に一度の定期点検結果によれば、県内の橋梁約2万4000橋のうち半数以上が何らかの措置が必要な状態。今後相当数の補修が必要となるが、市町などの小規模な管理者では技術職員等の不足により定期点検後の適切な補修や維持管理に苦慮しているのが現状となっている。