2021年7月7日 中建日報 第3回総会と報告会開く 来年度以降も活動継続へ | プレス情報 | 近未来コンクリート研究会は、インフラを適切に維持管理することを推進する支援をするとともに、これから建設されるコンクリート構造物を長寿命化するための研究を行います。

プレス情報

2021年7月7日 中建日報

第3回総会と報告会開く
来年度以降も活動継続へ
近未来コンクリート研究会

2021年7月7日 中建日報 第3回総会と報告会開く 来年度以降も活動継続へ | 近未来コンクリート研究会
 近未来コンクリート研究会(十河茂幸代表)は2日、広島市中区で第3回総会を開き、2020年度事業・収支決算報告など第1~4号議案の報告。初期ひび割れの抑制技術研究(C)協議会、RC構造物の延命化技術研究(M)協議会、構造物の生産性向上技術研究(P)協議会の3協議会による3年間の活動報告総括も行われ、今後もコンクリート構造物の長寿命化のための異業種連携に向け、活動を継続する方針を申し合わせた。
 総会は、新型コロナウイルス等の感染拡大に配慮し、会場参加とオンラインを組み合わせた「ハイブリッド方式」で開催。それぞれ年4回開催した3つのテーマ別協議会や現場見学会(三重県川上ダム)などの事業について報告があった。
 各協議会による3年間の活動報告のうち、竹田宣典氏(広島工業大学)が主査を務めるC協議会では、温度ひび割れなどの施工時に発生しやすい構造物の不具合事例と対策について議論を重ね、「温度ひび割れ抑制にはフライアッシュの高添加が有効である」などの意見を集約。20年度には「初期ひび割れの抑制対策(案)」をまとめ、次年度以降も発注者、コンサルタント、施工者等で連携する方法を模索することなった。
 江良和徳氏(極東興和)が中心となって展開したM協議会では、劣化により生じた性能低下に対する長寿命化、延命化に対する技術や方策、評価、体制、人的資源、予算などの課題を抽出し、解決策などを議論。中でも、市町村などが所有する小規模橋梁の維持管理に着目し、M協議会、広島県土木協会との協働によって「小規模橋梁点検要領」の活用及び社会実装のための取組みを展開した結果を報告し、今後も継続して実装に向けた活動を行う。
 坂本英輔氏(広島工業大学)が主査を担当したP協議会では、現在進んできている建設機械の無人化やAI技術、マシンガイダンスやドローンを活用した現場管理の実例などを学んできた一方、「書類作成への偏向や仕様に縛られて杓子定規になっている」という最大の問題点が顕在化。次のフェーズとして現場に即座に適用できる提案や改革についての検討を進め、さらにSDGsやカーボンニュートラルに関すしても議論するとした。
 十河代表は、「この3年間で解決する問題ではないが、産学官の連携で耐久性に優れ、より良いコンクリート構造物ができる方策を模索し、社会に貢献できることを願ってやまない。今後もさらに活動を広げていきたい」として協力を求めている。