2021年10月12日 中建日報 テーマ別協議会が第2段階へ P協議会はS協議会に改組 | プレス情報 | 近未来コンクリート研究会は、インフラを適切に維持管理することを推進する支援をするとともに、これから建設されるコンクリート構造物を長寿命化するための研究を行います。

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2021年10月12日 中建日報

テーマ別協議会が第2段階へ P協議会はS協議会に改組

2021年10月12日 中建日報 テーマ別協議会が第2段階へ P協議会はS協議会に改組 | 近未来コンクリート研究会
 異業種間の連携協会によるコンクリート構造物の長寿命化を目指す近未来コンクリート研究会(十河茂幸代表=写真)が展開している3つのテーマ別協議会が今月上旬に開かれた。協議会では、設立後3年間の協議内容を総括したほか、「構造物の生産性向上技術研究(P)協議会」を「持続可能なコンクリート技術研究(S)協議会」に改組。今後は3協議会の議論を第2段階に移行し、2年間の活動を行っていくことで合意した。
 WEB会議方式併用で開催された協議会には、施工会社やコンサル、生コンや行政関係の専門家などそれぞれ15~20人程度が参加した。
 P協議会(主査=坂本英輔広島工業大学准教授)では、コンクリート工事における数々の生産性向上技術の調査報告やダム現場の視察結果などを踏まえ、多くの議論がなされたことを報告。今後はSDGsを意識したS(sustainable)協議会に改組し、カーボンニュートラルをひとつの目標に掲げつつ、コンクリートに限定した地球温暖化対策を研究するとの方針で2年間活動する。次回の協議会に向けて各自情報収集に努めるとした。
 「初期ひび割れ抑制技術研究(C)協議会」(主査=竹田宣典広島工業大学教授)では、初期ひび割れのうち、セメントの水和熱に起因する温度ひび割れと施工時のブリーディングが多いことによる沈みひび割れを対象に、発生要因と対策についてまとめた3年間の活動報告を紹介。
 十河代表は「これらの初期ひび割れを抑制するには、発注者、設計者、製造者、施工者の様々な立場から積極的な対策を提案するべき」とし、今後はそれぞれの立場でひび割れを抑制できた事例を集め、効果的な提案に向けて活動するとした。
 このほか、抑制効果のある低収縮性セメントやフライアッシュを用いた事例、施工面で効果的な対策をして評価された事例なども示された。
 「RC構造物の延命化技術研究(M)協議会」(主査=江良和徳コンクリートメンテナンス協会技術委員長)では、 同協会と共同作成した「小規模橋梁の簡易点検要領(案)」「コンクリート構造物を対象とした亜硝酸リチウムによる補修の設計・施工指針(案)」、さらにこれらをもとにした現場実装の結果などが報告。
 参加した広島県土木協会の甲斐英樹委員からは、これらに沿って市町の橋梁を点検・補修した事例を踏まえ、「簡易とはいえ橋梁の劣化を予測できる方法として有効。さらに進めていくとともに、協議会の専門家にも参加していただき、アドバイスを受けたい」との要請もあった。
 今後は、点検要領(案)の信頼性向上を目指し、誰でもできる簡易な点検、専門家による診断、安価な延命化技術を研究することで、社会に貢献していくという。
 なお、次回の協議会は来年2月頃に開催。共通する話題をテーマに特別講演なども予定している。