プレス情報
2022年3月11日 中建日報
テーマ別協議会開く
ひび割れ対策など垣根超え議論
近未来コンクリート研究会(十河茂幸代表)は8日、2021年度第2回目となるテーマ別協議会を広島市中区で開催。「初期ひび割れ抑制技術研究(C)協議会」、「脱炭素コンクリート技術研究(S)協議会」、「RC構造物の延命化技術研究(M)協議会」に分かれ、コンクリートの長寿命化に向けて業界の垣根を越えた議論を展開した。
同会では、広島県などに出された蔓延防止等重点措置を受けて協議会の開催を控えており、解除を受けて昨年10月以来の開催となった今回は対面・オンラインでそれぞれ約20人が参加した。
広島工業大学の竹田宣典教授が主査を務めるC協議会では、低熱ポルトランドセメントと膨張材の組み合わせや低熱高炉セメント、フライアッシュの活用など、発注者や施工者が対策を講じて抑制効果を発揮した事例などを紹介し、これらを積極的に提案するとともに、より連携を深める努力が必要である―との意見で一致。費用対効果にも重点を置き、今後2年間の活動を継続する。
今年度から名称変更した広島工業大学の坂本英輔准教授のS協議会では、生コン工場の貢献やフィンランドにおけるカーボンニュートラルの取り組み、カーボンキュアーやジオポリマーなどの技術についての情報提供があり、今後もさらなる収集・研究に努めるとした。
極東興和の江良和徳部長を中心としたM協議会では、同会らでまとめた「小規模橋梁の点検要領(案)」を活用した具体的な点検・補修事例を広島県土木協会や井上建設らが解説。数年間の経過観察を行い、効果の確認やさらなる課題の抽出に取り組みむほか、今後は点検要領(案)の改訂も視野に入れ、よりコストのかからない点検・補修を模索することで社会貢献を行っていく。
このほか、十河代表による特別講演「セメントの水和熱に起因する温度ひび割れのメカニズム」も披露され、複雑なメカニズムと抑制対策について詳細に説明した。
次回以降の協議会は、6月、9月、12月、来年3月の開催を予定。各協議会の進捗に加え、共通の話題などをテーマに特別講演なども盛り込んでいくとしている。