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2024年1月19日 中建日報 近未来コンクリート研究会 垣根を越え議論深める 大分高専一宮教授の特別講演も
近未来コンクリート研究会
垣根を越え議論深める
大分高専一宮教授の特別講演も
近未来コンクリート研究会(十河茂幸代表)の今年度第3回目となるテーマ別協議会が16日、広島市中区で開かれ、3つの協議会別にそれぞれ20人前後が対面・オンラインで参加。業種間の垣根を越え、維持管理の最適化に向けた議論をさらに深めたほか、大分工業高等専門学校の一宮一夫教授による特別講演も披露された。
各協議会の議論のうち、広島工業大学の竹田宣典教授が中心となって進めている「初期ひび割れ抑制技術研究(C)協議会」では、体調不良で欠席した竹田教授の代役を十河代表が務め、初期ひび割れの発生メカニズムや乾燥収縮とひび割れに関するデータをもとに、試験方法のあり方や化学混和剤の使用について議論。今回の内容をもとに、次回協議会でさらなる検討を行うとした。
広島工業大学の坂本英輔教授が主査を担当する「脱炭素コンクリート技術研究(S)協議会」では、大林組の協力で実現した同社技術研究所の見学会の内容が紹介されたほか、脱炭素のための実験結果、今後の計画などが報告され、。参加した砂田栄治氏(まるせ)からは、「フライアッシュを混合することでJIS生コンの改正で使いやすくなる」との情報提供もあった。
コンクリートメンテナンス協会の江良和徳技術委員長らによる「RC構造物の延命化技術研究(M)協議会」では、「小規模橋梁の簡易点検要領(案)」を活用した社会実装2件の結果が報告され、今後は再劣化事例の点検、診断、補修にも取り組むとした。また、予防保全を目的に現在作成中の「鉄筋コンクリート橋梁の点検要領」の素案に関する意見交換もなされた。
このほか、一宮教授の特別講演「セメントを使用しない低炭素型コンクリート開発の現状」では、ビル・ゲイツの著書を引用しつつ、地球温暖化に対する今後のコンクリートを在り方についての熱弁がふるわれ、ジオポリマーを含むアルカリ活性材料を中心としたコンクリートの作り方や品質等を説明。社会実装に向けて努力が必要であることも強調した。