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2024年3月19日 中建日報 近未来コンクリート研究会 「温度ひび割れ制御対策手引き(案)」など解説 今年度最後のテーマ別協議会
近未来コンクリート(十河茂幸代表)は15日、今年度第4回となる協議会を広島市中区で開催。「初期ひび割れ抑制技術研究(C)協議会」「脱炭素コンクリート技術研究(S)協議会」「RC構造物の延命化技術研究(M)協議会」で延べ約70人が参加。維持管理の最適化に向けた議論をさらに深めた。
各協議会での議論のうち、広島工業大学工学部の竹田宣典教授が主査を務める「C協議会」では、竹田主査が作成に関わり、このほど中国地方整備局中国技術事務所が公表した「温度ひび割れ制御対策の手引き(案)」の概要を説明したほか、同手引きが発注者、設計者、施工者の相互連携に触れている点や、発注者は設計と施工をつなげる役割もあることから、温度ひび割れに対する意識や技術力を向上させる必要がある―としている点などを強調。
同工学部の坂本英輔教授を中心に進めている「S協議会」では、フライアッシュを少量使用した実験の報告と低炭素型ポーラスコンクリートの開発に関する研究報告がなされ、日本建築学会が発刊した「フライアッシュを使用するコンクリート調合設計・施工指針」の改訂版についても紹介。専門誌「セメント・コンクリート」4月号に近未来コンクリート研究会の記事が掲載されることも報告した。
また、コンクリートメンテナンス協会の江良和徳技術委員長らによる「M協議会」では、十河代表らが作成した「小規模橋梁の簡易点検要領(案)」を活用した廿日市市と大竹市の橋梁調査結果、再劣化事例への補修計画などを明かしたほか、水が劣化要因となることから、コンクリート舗装の簡易橋面防水に関する適用例と安芸高田市での試験施工計画なども説明。5月には「予防保全を目的とした鉄筋コンクリートの点検要領(案)」を発刊予定であるとした。
なお、同会の総会は6月10日に開催予定。各議案の審議に加え、各協議会の成果報告などが行われる。